高校生の娘の英語表現のテキストの基本例文集を見ていたら、
「せいては事を仕損じる」ということわざが出てきました。
これを英語では何というんですかね。
日本語のことわざを英語で言うと、
言葉の変換の発想が面白いなーと思います。
英語のことわざを覚えると楽しいかも。
英語のやり直し勉強は、楽しんで続けることがカギですからね(^^)
英語のことわざの発想の面白いところ、
読んだ本やアプリについてまとめます。
「せいては事を仕損じる」を英語で何という?
娘の高校表現の基本例文集の中にでてきた、
「せいては事を仕損じる」ということわざ。
時制の単元の例文として登場しています。
英文に直したものを見たら、
Haste makes waste.
となっていました。
haste=焦ること、急くこと、軽率という意味の名詞。
waste= 浪費する、むだにするという意味の他動詞。
なので、
hasteが、wasteをmakeする。を直訳すると、
焦ることは、無駄にさせる。
=急いては事を仕損じる。
となるんですね。
hasteとwasteは、韻を踏んでいて、すごくリズムが良いです。
日本にも英語圏にも、せいては事を仕損じるという考えがあるのが面白い^^
急がば回れの英語のことわざは?
急いては事を仕損じる、と似た意味のことわざの「急がば回れ」。
急いでいるからと言って、近道をしたらかえって危険に遭遇したりして遅れてしまうこともある。
だから急いでいても、多少遠回りだと思っても、安全な道を回って行った方が良いですよ。
という意味のことわざです。
これを表す英語のことわざは、
Slow and steady wins the race.
Slow=ゆっくりした
Steady=安定した、着実なという意味の形容詞。
Slow and steadyの前には、Beingが略されていて、
Being slow and steadyで「ゆっくりと着実なこと」という名詞節になっています。
直訳すると、
ゆっくりと着実なことがレースに勝つ。
=急がば回れ ということになると。
このフレーズは、イソップ物語のウサギとカメに登場するのだそうです。
日本人にもなじみがあるので、すごく良く理解できました。
どこの世界も同じなのね!と感じた英語のことわざ
日本も英語圏も同じなんだなーと思える英語のことわざも多々あり。
人間の真理は、どこの世界も同じなのかも!と思えたことわざをピックアップします。
一を聞いて十を知る
「一を聞いて十を知る」は、
1つ聞いただけで、10のことを知ってしまうほどに頭の良い、賢い人のことを言います。
孔子の論語に出てくる言葉で、
孔子が弟子の子貢に、「お前と顔回はどちらが優れている?」と聞いたら、
子貢が「顔回は一を聞いて十を知るけど、私は二程度しかわからない。
だから顔回の方がスゴイよ」答えたという場面に登場します。
これと同じ意味の英語のことわざが、
A words is enough to the wise.
enough to~は~するのに十分な、
the wiseは、賢者という意味です。
なので、直訳すると、
賢者には一つの言葉で十分だ。となります。
一を聞いて十を知ると、ほとんど同じニュアンスでした。
石の上にも3年
日本語のことわざ、「石の上にも3年」。
どんなに冷たい石でも、ずっと座っていれば温まるものだ、ということから、
辛いことも投げ出さずにじっくり取り組んでいれば、成功するよ、という意味のことわざです。
これと同じような意味を持つ、英語のことわざは、
A rolling stone gathers no moss.
転がる石に苔は生えない。
つまり、じっと一つのことを出来ないひとには、
何も良いことは起きませんよ、ということですね。
苔が生えるほどにじっくり待つのが大事!と。
同じような意味のことわざを、どちらも石を使って表現しているのが面白い(^^)
石は自分の意思ではどうにもできない、動かないものの象徴ですもんね。
蛇の道は蛇
蛇の道は蛇、は
大蛇が通る道は小さい蛇も知っていることから、
同類のものだけが知っている、知識や事情、やり方がある。
だから、同じ仲間なら簡単に推測できるよ、ということ。
蛇を使ってることから、ちょっと悪い感じのイメージがあります。
これを英語のことわざで言うと、
Set a theif to catch theif.
泥棒を捕まえるためには泥棒を使え、ということ。
泥棒のことは泥棒が良く知っている。
だから簡単に捕まえられるよと。
こちらも、ちょっとダークなイメージの英語のことわざになってました(^^)
同じような意味では、餅は餅屋ということわざがあります。
こちらは、ほのぼのしててクリーンなイメージ。
意味は専門家に聞け!ということ。
英語のことわざ表現として置き換えると、
Better leave it to a specialist.
となるわけです。
英語圏の表現が面白い!と感じた英語のことわざ
英語圏と日本語のことわざのなかで、
英語の表現が面白いと感じたものを挙げてみます。
命あっての物種
命あっての物種は、
命があるからこそ何事も出来るのであり、
死んでしまっては何にもならない。
命は大切にするべきだ、という意味のことわざ。
これを英語のことわざで言うと、
A living dog is better than a dead lion.
となります。
そのまま訳せば、「生きている犬は、死んだライオンよりも良い。」
んーー。犬とライオン?
猫とライオンじゃないのか^^;と思わず突っ込む。
百獣の王ライオンと言えど、死んでいては意味がない。
それなら生きている犬の方が良い!ということ。
なるほど。
命あっての物種、と同じ意味の表現なんですね。
花より団子
お花見に行っても、桜を見るよりも、御団子を食べた方がうれしい。
つまり、風流よりも実益。名誉よりも実利。
お花を見ても美しいだけ。
団子を食べた方がお腹もいっぱいになるし、利益になるよ。という意味。
これを英語のことわざで表現すると、
Puddinng rather than praise.
rather than=~よりもむしろ
praise=賞賛
なので、直訳すると、
賞賛よりもプリンがいい。
日本語だと「団子」
英語だと「プリン」になるのかー!と、面白かったことわざです。
やっぱ、食べ物の方が良いのね。
賞賛を受けても腹の足しにならないから。
猫に鰹節
猫に鰹節は、
鰹節が大好きな猫に、番をさせても意味なし!
油断できない、危険な状況で、
過ちを犯しやすいという状態を表現したことわざです。
猫に鰹節を英語のことわざで調べてみると、
To set the fox to keep the geese.
狐にガチョウの番をさせる。
To set wolf to keep the sheep.
狼に羊の番をさせる。
おぉ~。
これは危険極まりないですね。
過ちが起きやすい状況というか、大好物ですもんね。
日本語では、ネコと鰹節。
英語圏では、狐とガチョウ、狼と羊。
文化が反映されていて面白いです。
読んで楽しい英語ことわざの本
娘の基本例文集を見て、英語のことわざに興味が湧いて、
英語のことわざの本を読んでみました。
今回購入したのは、「英語対訳で読む日本のことわざ」という本です。
⇒英語対訳で読む日本のことわざ 日英の発想の違いが面白い! (じっぴコンパクト新書) [ 牧野高吉 ]
パッと見、表紙が楽しそうなイラストだったので、
楽しく学べるかも?と思って選んだんですけど。
この本、とってもわかりやすかったです。
全部で88のことわざを、1つずつ、見開き1ページにまとめてます。
日本語のことわざを英語で直訳した見出しが付いています。
そして、英語圏の人に、
英語で、日本語のことわざの説明をする文章があり、
最後に、同じような意味の英語の表現が載っています。
左側が英文、右側はその訳文という作りなので、とっかかりやすい!
へぇ~、英語ではこうやって言うんだ!というのを知るのがとにかく面白かったです。
この英文を普通に読んでいくだけでも、楽しくて勉強になります。
最後に:英語のことわざからの英語勉強アプローチ
英語のことわざをたくさん知っておくと、英会話の幅も広がります。
英語の会話では、ときどき引用を使うこともあるそうです。
大学や高校受験の問題文としても登場することがあるかも。
表現をいろいろ知っていれば解ける問題が増えますし。
英語の受験勉強に
「英語のことわざ」からのアプローチはありだなと思いました。